「美味しい!」
「良かった。俺、これ大好きなんだ」
そう言いながら、高橋さんも食べ始めた。
「あっ。そうだ」
サラダを作って、買ってきたいろいろなものを少しずつ食べていると、突然、高橋さんが立ち上がって、自分の部屋に行ってしまった。
高橋さん……。
急に、どうしたんだろう?
そうこうしているうちに、また直ぐ高橋さんが部屋から出て来た。
エッ……?
な、何?
部屋から出て来た高橋さんは、2列に積み上げたものを両手で抱えていた。そう、ざっと数えても20個ぐらいはあるだろうか。それが落ちないように、顎で上から押さえながら歩いてキッチンに入って行ったので慌てて後を追った。
その後ろ姿が目に入った瞬間、高橋さんはシステムキッチンの上に抱えていたものをゆっくりと上半身を屈めて置いたのだが、積み上がっていたものの上の何個かが置いた弾みで揺れてバランスを失ったのか、システムキッチンの上に崩れ落ちてしまった。
「あぁあ、雪崩起こしちゃった」
『雪崩起こしちゃった』 って……。高橋さんが、そんな茶目っ気たっぷりな台詞を言うなんて。思わず高橋さんの横に立って、何が雪崩を起こしたのか興味津々で覗き込んだ。
これって……。
それは、思ってもみなかったもので、高橋さんの顔を見上げた。
「も、もしかして、イトウのご飯をわざわざ持ってきたんですか?」
「そう」
高橋さんはあっさりそう言うと、イトウのご飯を見ながら嬉しそうに笑っている。
「しかも、こんなに沢山……」
唖然として、つい呟いてしまった。
「ああ、まだバゲージの中に、20個ぐらいはあると思うよ。俺、どうも白いご飯がないと、燃えないんだよなぁ。だから海外出張の時、これは必需品なんだ。それから、インスタントの味噌汁も持って来たぞ」
高橋さん……。
想像を絶する、高橋さんのバゲージの中身。てっきり、仕事の書類等でビッシリだと思っていたが、男の人の荷物にしては多いなと、空港でバゲージの重さを量った時にそう感じていたが、まさかイトウのご飯やインスタントのお味噌汁まで持ってきていたとは驚いた。だからスーパーで主食を買わなかったのは、こういうことだったんだ。
「だったら、私にも事前に言って下さればよかったのに。そうしたら、私だって半分ぐらいは持ってこられましたよ」
イトウのご飯やお味噌汁を持ってくるとか、まったく考えにも及ばなかったもの。
「フッ……。だって、お前にそんなことを頼んだりしたら、バゲージが何個になるか分かりゃしないだろう?」
笑いながら、高橋さんに人差し指でおでこを突かれた。
「そ、それは……」
確かに、私の荷物の多さは結構な量だけれど、何もそんなに言わなくてもいいのに……。
「ほら、膨れてないでランチの続き、続き」
「はぁい……」
高橋さんは、手慣れた手つきでイトウのご飯を電子レンジに入れて温めていた。
「良かった。俺、これ大好きなんだ」
そう言いながら、高橋さんも食べ始めた。
「あっ。そうだ」
サラダを作って、買ってきたいろいろなものを少しずつ食べていると、突然、高橋さんが立ち上がって、自分の部屋に行ってしまった。
高橋さん……。
急に、どうしたんだろう?
そうこうしているうちに、また直ぐ高橋さんが部屋から出て来た。
エッ……?
な、何?
部屋から出て来た高橋さんは、2列に積み上げたものを両手で抱えていた。そう、ざっと数えても20個ぐらいはあるだろうか。それが落ちないように、顎で上から押さえながら歩いてキッチンに入って行ったので慌てて後を追った。
その後ろ姿が目に入った瞬間、高橋さんはシステムキッチンの上に抱えていたものをゆっくりと上半身を屈めて置いたのだが、積み上がっていたものの上の何個かが置いた弾みで揺れてバランスを失ったのか、システムキッチンの上に崩れ落ちてしまった。
「あぁあ、雪崩起こしちゃった」
『雪崩起こしちゃった』 って……。高橋さんが、そんな茶目っ気たっぷりな台詞を言うなんて。思わず高橋さんの横に立って、何が雪崩を起こしたのか興味津々で覗き込んだ。
これって……。
それは、思ってもみなかったもので、高橋さんの顔を見上げた。
「も、もしかして、イトウのご飯をわざわざ持ってきたんですか?」
「そう」
高橋さんはあっさりそう言うと、イトウのご飯を見ながら嬉しそうに笑っている。
「しかも、こんなに沢山……」
唖然として、つい呟いてしまった。
「ああ、まだバゲージの中に、20個ぐらいはあると思うよ。俺、どうも白いご飯がないと、燃えないんだよなぁ。だから海外出張の時、これは必需品なんだ。それから、インスタントの味噌汁も持って来たぞ」
高橋さん……。
想像を絶する、高橋さんのバゲージの中身。てっきり、仕事の書類等でビッシリだと思っていたが、男の人の荷物にしては多いなと、空港でバゲージの重さを量った時にそう感じていたが、まさかイトウのご飯やインスタントのお味噌汁まで持ってきていたとは驚いた。だからスーパーで主食を買わなかったのは、こういうことだったんだ。
「だったら、私にも事前に言って下さればよかったのに。そうしたら、私だって半分ぐらいは持ってこられましたよ」
イトウのご飯やお味噌汁を持ってくるとか、まったく考えにも及ばなかったもの。
「フッ……。だって、お前にそんなことを頼んだりしたら、バゲージが何個になるか分かりゃしないだろう?」
笑いながら、高橋さんに人差し指でおでこを突かれた。
「そ、それは……」
確かに、私の荷物の多さは結構な量だけれど、何もそんなに言わなくてもいいのに……。
「ほら、膨れてないでランチの続き、続き」
「はぁい……」
高橋さんは、手慣れた手つきでイトウのご飯を電子レンジに入れて温めていた。

