新そよ風に乗って ⑤ 〜慈愛〜

うわっ。
ち、近いです。近過ぎですってば、高橋さん。
いきなり顔を近づけた高橋さんに、思わず顔を引いてしまった。
「お前がもう少し成長して仕事をこなせるようになったら、此処に輝いているツリーを見に来よう。そのためにも、いつも入れ過ぎて落とし物ばかりしているらしいが、その時間のロスを省くために俺からプレゼントする」
エッ……。
「今のバッグよりは、少しは沢山入るだろう?」
「あの、私に……ですか?」
「ああ。それなのにお前って奴は、機嫌が悪くなってばかりで」
高橋さんは、ショッピングバッグを持ちながら両手を肩の位置まで挙げて見せた。
「そ、それは、その……違うんです」
「何が違うんだ?」
うっ。
そんなに睨まれても、こ、困る。
「フッ……。まあ、いいか。受け取れ」
「いいんですか? 何方かへの、お土産じゃなかったんですか?」
「何方も此方も、関係ないんだが。要らないんだったら……」
「い、要ります! あっ。でも、本当にいいんですか?」
「ああ。お前のために買ったんだ」
キャーッ!
どうしよう。嬉しい。嬉し過ぎる。
「ありがとうございます。大切に使います」
ああ、どうしよう。
「幸せだぁ」
「ん?」
ハッ!