「ありがとうございます」
一口親子丼を頬張ると、高橋さんがこちらを見て微笑んだ。
「焦らず、ゆっくりでいい。広い目で、世の中を見ろ。冷静な判断が出来るようになるために、視野の狭い人間にはなるな。それでも行き詰まったら、顎を引いて鎖骨に力を入れろ。そうすれば、少しは肩の力は抜ける。俺も、いつもそうしてる」
高橋さん・・・・・・。
「それでも、どうしても息切れした時は・・・・・・その時は・・・・・・」
そう言うと、高橋さんがスプーンを置いた。
「俺が、何時でも聞く」
「高橋さん・・・・・・」
その瞳は優しく、且つその奥に真剣さを秘めていた。
「いつも言っているだろう? 人は、1人では生きていない。生きてはいかれない。見えない部分、見える部分、そこに何時も誰かが存在する。1人で解決出来ない時は、溜め込むなよ」
「はい」
高橋さんに、前から何度も言われた気がする。進歩がないな。もっと、いろいろ頑張らなくちゃ。食事をしながら、反省した。
「でも、レポート毎回提出とか、そんなに寝る間も惜しんで勉強しなければならないなんて、いったいどんな授業内容なんですか?」
「そうだな・・・・・・例えば、ある国とある国が条約を結んだとする。それは、お互いの国にとって利益に繋がるから結ぶ条約であることが大前提なわけだが、その背景にあるものは何か。それを学ぶ。」
背景にあるもの?
「一方の国にとって、相手国との条約を結ぶことにより自国が条約を結んでいない第三国や緊張が高まっている国との利害関係を有利に進めるために、条約を結ぶことも有り得る。もし、今回条約を結んだ相手国がその利害関係を有利に進めたい国と条約を結んでいたとする。そのことも踏まえての条約締結だとすると、今回条約を締結する国に、自国とその利害関係を有利に進めたい国との間に立って貰いたいというのが本来の目的だったりするのではないかということを仮定して、それに伴う利益や損害を考えたり、知ったりするんだ。表向きは、相互国の経済発展のための条約でも、その裏には上手く行っていない国との交渉をスムーズに運ぶために結ぶ条約もあり得るという実態。そういうことを実際に行われた事例をあげて、みんなでディスカッションしたり、自分の考えを授業で発表したりすることで、締結した条約の真の目的は何だったのかを結論づけるんだ。その予習として課題を与えられてレポートを提出したり、結論づけたことをレポートに纏めたりする。だから、当然、刻々と変わる社会情勢や経済情勢を知っていないといけないし、世界情勢を把握していなければ授業についていかれないから、殆どの学生がいつもインターネットで調べたり新聞を読んだりして情報を収集している。内紛が起きれば、自国にそれが何をもたらせるのか。また、経済破綻をした国を援助することにより、同じく援助している他国間との交渉をどのように進められるか。そういうことを常に意識して、自分の考えをもって授業に望まないといけないんだ」
一口親子丼を頬張ると、高橋さんがこちらを見て微笑んだ。
「焦らず、ゆっくりでいい。広い目で、世の中を見ろ。冷静な判断が出来るようになるために、視野の狭い人間にはなるな。それでも行き詰まったら、顎を引いて鎖骨に力を入れろ。そうすれば、少しは肩の力は抜ける。俺も、いつもそうしてる」
高橋さん・・・・・・。
「それでも、どうしても息切れした時は・・・・・・その時は・・・・・・」
そう言うと、高橋さんがスプーンを置いた。
「俺が、何時でも聞く」
「高橋さん・・・・・・」
その瞳は優しく、且つその奥に真剣さを秘めていた。
「いつも言っているだろう? 人は、1人では生きていない。生きてはいかれない。見えない部分、見える部分、そこに何時も誰かが存在する。1人で解決出来ない時は、溜め込むなよ」
「はい」
高橋さんに、前から何度も言われた気がする。進歩がないな。もっと、いろいろ頑張らなくちゃ。食事をしながら、反省した。
「でも、レポート毎回提出とか、そんなに寝る間も惜しんで勉強しなければならないなんて、いったいどんな授業内容なんですか?」
「そうだな・・・・・・例えば、ある国とある国が条約を結んだとする。それは、お互いの国にとって利益に繋がるから結ぶ条約であることが大前提なわけだが、その背景にあるものは何か。それを学ぶ。」
背景にあるもの?
「一方の国にとって、相手国との条約を結ぶことにより自国が条約を結んでいない第三国や緊張が高まっている国との利害関係を有利に進めるために、条約を結ぶことも有り得る。もし、今回条約を結んだ相手国がその利害関係を有利に進めたい国と条約を結んでいたとする。そのことも踏まえての条約締結だとすると、今回条約を締結する国に、自国とその利害関係を有利に進めたい国との間に立って貰いたいというのが本来の目的だったりするのではないかということを仮定して、それに伴う利益や損害を考えたり、知ったりするんだ。表向きは、相互国の経済発展のための条約でも、その裏には上手く行っていない国との交渉をスムーズに運ぶために結ぶ条約もあり得るという実態。そういうことを実際に行われた事例をあげて、みんなでディスカッションしたり、自分の考えを授業で発表したりすることで、締結した条約の真の目的は何だったのかを結論づけるんだ。その予習として課題を与えられてレポートを提出したり、結論づけたことをレポートに纏めたりする。だから、当然、刻々と変わる社会情勢や経済情勢を知っていないといけないし、世界情勢を把握していなければ授業についていかれないから、殆どの学生がいつもインターネットで調べたり新聞を読んだりして情報を収集している。内紛が起きれば、自国にそれが何をもたらせるのか。また、経済破綻をした国を援助することにより、同じく援助している他国間との交渉をどのように進められるか。そういうことを常に意識して、自分の考えをもって授業に望まないといけないんだ」

