「さてと、今から風呂入るぞ」
 高校に行く決意をしたわたしに向かって蓮翔はさらりと言った。

 ふ、風呂ですと!?!? 

「な、なんで?」

「なんでってお前、そんなくっせぇままじゃ、ヤバいだろ」

 はああああ!? 

 女子に向かって、くっせぇとはなんだ。
 くっせぇとはっ。

「く、臭くないもんっ」

「じゃあ、自分の髪の毛の(にお)()いでみろっ」

 わたしは髪の毛先を持ち、くんくんと(にお) を嗅()いでみる。

 ふよふよふよ。

 魂が一瞬抜け落ちた感覚に陥るわたし。

「ほらな。くっせぇだろ?」

「臭いです……」 


 人間とは思えない程の臭さです。