「30分かけてこれかよ……」
蓮翔がわたしの頭にぽんっと手を置く。
「……泣くなよ。アホ」
「な、泣いてなんかっ!!」
「後ろ向け」
「へ?」
「早くっ」
わたしは渋々後ろを向く。
すると、蓮翔は髪のゴムを2つしゅるっと取り、
まるで子兎を撫でるように頭を優しく撫でる。
ドキドキと高鳴る胸。
……なんか、また、変な感じ。
蓮翔は髪を2つに分けて、きゅっ、きゅっと結ぶ。
前扉にぼんやりと映るわたしと蓮翔。
髪結ぶのまで上手とはっ……。
蓮翔はわたしの右耳に唇を近づけ、…出来たぞ、と小声で言った。
わたしの顔がかああっと熱くなる。
「あ、ありが……」
「おい、何やってる」



