「分かったよ」
 俺はそう言って、ソファーから起き上がり、
 右肩に鞄をかけ、ソファーから立ち上がる。

「一週間世話になった、ありがと」

「いや、蓮翔、また明日高校で!」

「ああ」

 俺は詩朗の家の居間から出て行った。



「ふうっ……」
 30分後。俺は自宅の玄関の前で大きくため息をついた。

 ついにここに帰ってきてしまった。
 長い旅だったわ。

 ……チャイム押すの、面倒だな。

 俺は鞄のファスナーを開け、秘密兵器の自宅の鍵を取り出す。
 そして、鍵で玄関の扉を開けて中に入る。

 両親の靴はない。
 だが、姉さんの靴はある。

「ま、姉さんなら大丈夫だろ」

 俺は玄関で靴を脱ぎ、中に上がる。


「何が大丈夫だって?」