堕落シンデレラは秘密に同居する。👠


 声が聞こえ、わたしはしゃがんだまま顔を上げる。

 整った顔立ちをした茶髪の男子が立っていた。

 その男子は、紺のブレザーの前ボタンを開けており、
 チェックの水色ネクタイと白シャツが見え、
 シックなグレンチェック柄のスラックスを穿き、
 右肩には学生鞄をかけている。

 赤の他人に突然話しかけられたので、わたしの目が点になる。

 あれ? 
 どこかで見たような……。

 う~ん、どこだっけ? 
 まぁ、いっか。

 言葉が何も出てこなかったから、とりあえず、へらっと笑ってみせる。

「こんな雨の中、歩きは無理だな……タクシー、乗れそう?」 

 え? 
 タクシー?

「乗れる? 乗れない? どっち?」

「乗れるけど……あの……?」


「家まで送るよ」