♪1
「由愛――!! 学校行こう!」
千波の元気な声がする。
まったく、朝はハイテンションなんだから、千波……。
私は口の中いっぱいのカフェオレを無理矢理飲み、口周りをティッシュで拭いて鞄を持った。
「じゃね~!」
私が暢気に言うと、お母さんは笑いながら言う。
「『じゃね』、じゃなくて『行って来ます』でしょ! いってらっしゃい」
私は笑い返し、扉を元気よく閉めて家を出た。
カチューシャをした、おなじみの千波。
千波と私は幼馴染で、家も隣。
親同士も仲が良くて、小さい頃からずーっと一緒。
まるで双子みたいだった。
「由愛、今日は数学があるね! 由愛の大嫌いな数学」
千波がからかうかのように言う。
ああそうですよ、私は数学なんて大嫌いだ。
数学の先生の丸山は、授業中いつも唸る様な声で問題の解き方をベラベラと喋り、最後にはいつもお決まりのセリフ、
「今日学んだ事を、家で復習しておきましょう!」
と言うのだった。
その台詞は置いといて、あの唸るような声はやめてほしい。
確かに、ド田舎の中学生達にくだらん物を教えるのはつまらないだろう。
だけど、こっちは金払って教えてもらってるんだ、少しは生徒達が分かるように工夫しろ!
そんなこんなで、色んな事にグチをいいながらも、私は幸せだった。
ずっと、この生活が続くんだって思ってた。
でも、それは間違いだった。
「由愛――!! 学校行こう!」
千波の元気な声がする。
まったく、朝はハイテンションなんだから、千波……。
私は口の中いっぱいのカフェオレを無理矢理飲み、口周りをティッシュで拭いて鞄を持った。
「じゃね~!」
私が暢気に言うと、お母さんは笑いながら言う。
「『じゃね』、じゃなくて『行って来ます』でしょ! いってらっしゃい」
私は笑い返し、扉を元気よく閉めて家を出た。
カチューシャをした、おなじみの千波。
千波と私は幼馴染で、家も隣。
親同士も仲が良くて、小さい頃からずーっと一緒。
まるで双子みたいだった。
「由愛、今日は数学があるね! 由愛の大嫌いな数学」
千波がからかうかのように言う。
ああそうですよ、私は数学なんて大嫌いだ。
数学の先生の丸山は、授業中いつも唸る様な声で問題の解き方をベラベラと喋り、最後にはいつもお決まりのセリフ、
「今日学んだ事を、家で復習しておきましょう!」
と言うのだった。
その台詞は置いといて、あの唸るような声はやめてほしい。
確かに、ド田舎の中学生達にくだらん物を教えるのはつまらないだろう。
だけど、こっちは金払って教えてもらってるんだ、少しは生徒達が分かるように工夫しろ!
そんなこんなで、色んな事にグチをいいながらも、私は幸せだった。
ずっと、この生活が続くんだって思ってた。
でも、それは間違いだった。