奏は足元に引っ付いている唯ちゃんを見ながら、
「まぁ、とりあえず今日は私が連れて帰るよ」
と言って唯ちゃんの手を取る奏。
「ん、わかった」
もうそれなりの時間になっていて、
子供たちも家に帰ったのかいなくなっていた。
少しずつ、公園内の他の人々も帰り支度を始めている。
奏も、唯ちゃんを連れて家路に着こうと歩き始めた。
……と思ったら、途中で唯ちゃんを残してこっちへ引き返して来た。
そして、
俺の前で立ち止まると、
「…私も、敬介のことが一番好きだから……」
と、真っ赤な顔でそれだけ言って唯ちゃんの元へ走り去っていった。

