「貴方たちをこんなにした大人が憎くないの?」



施設の部屋では無い
白すぎる空間に
ここは夢だとふと思った。



目の前の少女は逆光のせいで顔を認識できない。






「貴方たち七人以外の子は
全員大人に壊されてしまったのに


悔しくないの。」

もう一度少女が問いかけてくる。






「ねぇ、こっちにおいでよ。
私が力になってあげる。」

少女が白い手を差し出す。






いつの間にか後ろにいた
蓮くん、宏樹、奏大くん、光汰くん、翠人くんが
少女の方へ駆け出していく。

細い白い手に何が出来るんだ
と思いながらもこの先
皆をどう引っ張っていくか不安だった僕は

少しの躊躇の後少女の方へ歩き始めた。












後ろから
僕の名前を呼ぶ誠哉くんの
か細い声を聞いた気がした。