わたしのスパダリな婚約者〜番外編〜




微妙な顔になる私を見て楽しそうにころころと笑う婚約者の姿にため息をついて続きを促す。



「ふふ、それでですね。それならお茶会の時間はクリス様にとって楽しくないのでは、と思いました」


でもせっかく時間を作って婚約者と過ごしているのにわたしだけが楽しくてクリス様が楽しくないというのは悲しいです。ならばクリス様も美味しいと思えるものがあればいいと思って料理人と一緒に甘くない菓子を作ってみたのです。


人の好みはそれぞれですもの、甘いものが得意ではない人もきっとたくさんいますわ。だからそこにがっかりというか、クリス様に対してマイナスな感情は持たなかったですわね。


あ、もちろん普通の食事ならば好き嫌いは良くないですと言っていましたよ?だって食事はわたしたちの栄養も考えて作ってくれているでしょうし。


でもお茶会は会話を楽しむものですもの。こうしてわざわざ婚約者との時間を作っているのに、その間の時間がお茶菓子のせいで楽しめずにクリス様に悲しい思いをさせてしまうのは嫌でしたの。



「これで答えになったでしょうか」


「………あぁ、」


「ならよかったです」