「聞いてもいいだろうか」 「??えぇ、なんでしょう」 「何故、自分で菓子を作ろうと思ったんだ?」 「まぁ、」 婚約者にそう聞けばぱちり、と目を瞬かせた後に小首を傾げる。そして少し考えるように視線を彷徨わせた後に「そうですねぇ」と微笑む。 「まずは以前のお茶会の様子から、もしかしてクリス様は甘いものが得意ではないのかしら、と思いまして」 「………まぁ、そうだな」 いくらなんでもあれに気づかないはずもない。我ながらかなり嫌そうな声と態度だった。