「……それで、これは何なの?」


理由も分からず突然過呼吸になるなんておかしい。


別に喘息とか持っていないから、原因としたらこの世界なのだろうか。


「ああ、粒子と濃度が低くくて体が付いていけなくて、拒否反応が起きてるんだよ」


「りょ、粒子? えっ」


なんか科学で出てくる単語が出てきた。


どちらも知っている単語だけど、それは何が関係あるのだろうか。


「なんていうのかな、世界の空気というかそもそも君の体の仕組みとこの世界の生物の仕組みが違うんだよ」


人間の体の仕組みは学校で習ったけど、ここでは異なってると言いたいのだろうか。


「素粒子って知ってるよね?」


「うん、人間の仕組みだよね。素粒子でできているって」


私の知識の覚えがうろ覚えだけど、確かそうだった気がする。


「そう。この世界の生物も君と同じ仕組みで出来ている。だけど、この世界と君の世界の仕組みのエネルギーとか量子とかそういうのが異なってるんだよ。要するに陸と水の中みたいな感じ。言っている事分かる?」


「なんとなくは…」


「つまり、君の体は向こうの世界の体の作りをしているから、この世界の体の作りに順応されていないんだよ。それに、粒子とか酸素濃度の量に大きな違いがあってそれで過呼吸になるんだよ」


詳しい事はよくは分からないけど、要するには私の体はこの世界と適応されていないって事だろうか。


「でも、起きた時も今も普通だよね。今も苦しくないし」


「それは薬とかで制御してるから」


「ああ…」


薬で制御できるものなんだ。


どういう成分で作られているんだろう。


この世界の人間と作りの仕組みが違うって言っていたから、作れる筈がないと思うのだけど。


「あの…わざわざ作ったんですか?」


「ん? いや…普通に薬として流通されている物」


「えっでも…今作りが違うって」


「確かにこれは強めな薬だけど、基本的には生身の人間用の薬だから一緒なんだよ。主成分は一緒だからね。要は量が違うだけ」


「そう…なんだ」


一緒か、そういうものなんだ。