妖目の恋煩い〜猫と宴と…

「あの、これって」


「お食事です」


それから夕食の良い時間帯にメイドさんに呼ばれてダイニングへ向かうと、1人分の食事が並んでいた。


「あの…」


「頬様はまだお戻りなりませんので、申し訳ありませんが、お1人でお食事していただけますか?」


「あ、はい」


「どうぞ」


「あ、ありがとうございます」



椅子を引いてくれてその椅子に座る。


「焔様にはあなたの事を失礼ないように接するようにと仰せられていますので」


「……あの、どうして焔さんは私に優しくするんですか? 私…一応奴隷らしいんですけど。あと、これは奴隷の待遇ではないと思うんですけど」


漫画や海外の歴史で得た知識では、奴隷というのは本来…無理やり働かせて食事も少量しか与えず服も汚い布切れみたいな物を着させる、という感じだと思うんだけど。


「うーん、私共には焔様のお考えは分かりかねませんが、ただあなたは焔様にとって特別な方ではないでしょうか。
焔様は考えなしにあなたを助けた訳ではなく、おそらく何か考えがあって助けて下さったのだと思いますよ」


「……」


何か考えがあってか。


「それにあなたの事を奴隷と思って接してないと思いますよ。何か理由があるから、奴隷という立ち位置を申し立てたのだと思いますよ。だって、焔様はあなたの事をとても大切にまるでお人形さんのように接していらっしゃるんですもの」


「お人形さん…」


「大丈夫ですよ。焔様はとても素敵で優しいお方ですよ。私のような低い階級を雇ってくさるんですから」



「そうなんですか」


(ん? 低い階級…)


ふと焔さんが人間に対しての匂いを説明していた事を思い出した。



「あの、聞いていいですか?」


「どうぞ」


「その人間の匂いって下級の方には良くないって」


「ああ、それは異性では、ですね」


「えっあ…同性には効かないって事ですか?」


「そうですね」


「ああ、なるほど」


確かに同性で効かれたら困るか、色々。


「でも、耐性はあるんです。焔様が血を分けてくださって、生身の人間に対しても理性が保てるんです」


「そんな事ができるんだ」


「はい。焔様は私のような下級獣人にでもお優しいお方ですよ。大丈夫です、あなたの事だって善意で優しくしていると思いますよ」


(善意…か)


確かに焔さんは私を助ける為にここに連れてきたと言っていた。


だから…わざと言っているのとしたら何の為だろう。