妖目の恋煩い〜猫と宴と…

ただ、唯架ちゃんは確かに少々強い匂い発しているせいか、一般獣人でさえも危なくて、東遊の上級獣人でまだギリ平気な方だ。


正直言うとわざとあんな事しなくても普通に襲われていたとも思う。


でも、助けるには絶対に襲われてほしかったから、あれは念の為だ。



「だったら、尚更でしょ」


「このまま閉じ込めておくんですか?」


「いや、あれを取れるように政府に働きかける」


「えっいやいや無理ですよっ 連行されるのでは?」


「連行はされないよ、俺と奴隷契約してるし」


「ああ…えっもしかして…それでわざと奴隷契約したんですか?」


「そうだけど?」


「ああ、なるほど…ね」


「それに、あれさえ許可が降りて取得ができれば自由に外に歩けるし、襲われなくなるから」



生身の人間が地上で唯一人目を気にせずに自由に外に出歩ける方法は、政府承認のカルティット言う生身の人間独特の匂いを消す事ができる結晶を手にする事だ。


あれがあれば普通に生活できるし、もしくは境界線が開いた頃を見計らって自分の国に帰る事もできる。


それがなければ地上に居たら危ない目にしか遭わない。


(それに、カルティットを取得すれば生身の人間として差別がなくなる。何よりあれは、もしかすれば…)



俺が望んでいるものの可能性に繋がるかもしれない。


「でも、そう簡単に行かないんじゃないですか?」


「だよなー」


「無謀過ぎますよ、いくらなんでも」


「でも、そうしなきゃいけないのは事実でしょ」


「うーん、ですけど」


自分が無謀な考えだという事くらい分かってる。


でも、それでも俺がやらないとダメで。



「というか、あの子って…」


「だから、俺が助けるんだよ」


あの子には時間がない。


ここに来たのだって一時しのぎでしかない。


何の解決策もなくても、無謀だって言われても、たとえ最後の最後まで諦めるつもり投げ出すつもりはない。


あの子と約束してるし、それに引き継いだものだから。



「諦めないから、絶対に…」


「焔様…」



〈·˚ ₊˚ˑ焔‑homura‑·˚ ₊˚ˑ〉