「えっ」


焔さんがドアノブを掛けた時、私はベットから落ちるようにドサっと音を出して床に落ちた。


その音に気付いた焔さんが振り返り私に駆け寄る。



「唯架ちゃん!」


「はあ…は…」


「大丈夫?」


「あ…い…き…っ」



「なんで…まだ大丈夫だったと思ったんだけどな。
えっと声が出ないくらいに苦しんだね。
ちょっと待ってね、すぐ楽になるからね」


「……っ」


そう言うと、焔さんはどこからと何かを取り出し私の口へと入れた。


(何…?)


薬のような物が口に入ってきて、その直後に水が流し込まれた。


流し込まれた水と同時に飲み込む。


(あれ…息が…)


水を飲み込んで少ししたら、呼吸が楽になった。


「はあ…は…ふう」


「よかった…落ち着いたみたいだね」


「焔さ…ん…」


なんだかふわふわする。


「ごめんね…。でも、きっと助けるからね」


おでこに温もりを感じたけど、考える余裕もないままに意識が真っ暗になった。



何が起きたのだろう。


今はなんだかまた眠りたい。


次起きたら、何か変わっているといいな。


そう思いつつ目が自然に閉じた。