妖目の恋煩い〜猫と宴と…

「大丈夫だよ…俺はどんな事があっても味方でいてあげれるから。それに…助けてあげれるのが俺しかいないと思うよ?
……いいの? また怖い目に遭うの嫌でしょ? それにこれ以上怖い目に遭わない保証はできるはずだよ。
選択肢なんてどっちかと言うけど、1つしかないはずだよ」


「……っ」


ああ、そうか…この人は最初から無理難題の選択肢を与えて、無理やりにでも助かる方を選ばそうとしていたんだ。


わざとだ、これは…この人の策略だ。


でも、助けてくれようとしているのは事実なんだ。


分かってる…私がこの状況を助かる方法なんて。


(でも、奴隷だなんて…嫌だけど…けど)


私はおもむろに悲しげな表情で猫耳男性の瞳をじっと見つめる。


そして、そっと口を開いた。


「……た、助けてください」


「うん、じゃあ俺にどうしてほしい」


「!」


彼は嬉しげに私に理由を言わそうとする。


(言わないといけないの?…最後まで)


怯えながらも再度口を開く。


「っ…あなたの奴隷になりますから…助けてください…」


「はっ? …あなた何を」


執事さんみたいな人が私が言った言葉に驚いた表情をする。


それもその筈だ。


「じゃあ、契約成立だね」


「えっ」


と、私にそう言った次の瞬間、彼の手が伸びてきて私の頬に触れ少し上に向かせる。


「ほっ焔様っ何を…!」


「っ!?」


それは、あまりにも突然だった。


突然すぎて何が起きたのか分からないくらいだった。


感じたのは唇が触れる感触と頬に添えられている手の感触だけだった。


(なっ…えっ…)


この状況はいったいどういう事だろう。


意味が分からない。


(というか、これキスされてない!? なんで?)


「!」


一瞬、口の中に何かが通っていった感じがした。


(?)