妖目の恋煩い〜猫と宴と…

涙が頬に流れた時、何かの空気が変わった気がした。


同時に男達の手がピタッと止まった。


「?…えっ」


(何?)


「焔様だ」


「なんでこんな所に」


(ほむら?)


なぜか分からないけど助かったのかと思った。


「楽しそうだね君達。俺も混ぜてくれない?」


「えっいや…これは俺達が見つけて」


「んん?」


「っ」


男達は怯えるかのように震えていた。


「……あなたは」


私の目の前に現れたのは、先程の妖艶な猫耳のした男性だった。


その姿に群がっていた男性達はさっと避けるように散らばっていく。


なんだろう…空気がその人が纏っている雰囲気がそうさせているような、おそらく機嫌損ねさしたら何かが降ってくる、そんな圧を感じた。


「邪魔だよ、どいて」


「えっ」


「いやでも…これは」


「聞こえなかった? 邪魔…。言っておくけど、大勢で追いかけて女の子を襲うって…どうなのかな?
あまり良い事ではないよなー。もう少し制御を覚えた方がいいよ」


「………」


柔らかい口調で諭しているけど、やっぱり圧を感じる。


猫耳男性の圧なのか男達はそっと私から怖じけるかのように身を引いた。



「ふう」


そして彼はそのまま座り込んだまま立ち上がれない私の前にしゃがみ込んで、水晶玉のような綺麗なアクアブルーの瞳で私の顔を覗き込んでくる。


「怖かったね…大丈夫?」


「っ」


優しい言葉でそっと頭を撫でられる。


慰めてくれているのだろうか。


にしてはなんだろう…すごくすごく違和感を感じる。


「あーあ、泣いちゃったんだね」


「……」


やっぱり、あの人達と違う意味の恐怖を感じるのはなぜだろう。



「ねえ、助けてあげようか」


「えっ」


「生身の人間」


(生身の人間…?)