妖目の恋煩い〜猫と宴と…

「はあはあ」


(どうしよう…どうしよう)


受付の人が言っていたように、本当に狙いに来た。


つい先程2階に居た私を獣人の男性2人が見つけられて、2階まで来て追いかけられている最中である。


2階は迷路のようにぐるぐるなっているせいか逃げられているけど、正直言って時間の問題だ。


「ほらほら、悪い事しねえからさ」


「俺らと気持ちいい事するだけだからさ」


下心丸見えの2人に恐怖しか沸かなかった。


下の女の子達と同じ事されるなんて絶対に嫌だ。


(怖い怖い…誰か助けて…っ)


「凛々ちゃん…っ」


思わず凛々ちゃんに助けを求めてしまうが、凛々ちゃんはここにいない事は分かってた。


それでも凛々ちゃんの名前を呼んでしまう。


(私の初めてがこんな人達に奪われるなんて嫌だ)


そもそも、恋愛だってした事ないのに。


こんな大人の漫画的な展開があっていい訳がない。


読んだ事ないけど、絶対にそういうやつだ。


(やだやだやだー)


「来ないで――っ」


(どうしよう…どうしよう…どうしたらいいのっ)


「!?」


左右から追い詰められて、私の方に走ってくる。


「やっと追いつたぜ」


「そろそろ観念しな」


(なんで、私が悪者みたいになってるの?)


どこに逃げたらいいんだろう、どこか……。


「!?」


もうダメだと思った時、ふと小さな曲がり角を見つけてすぐ手前に扉があった。


(扉…開いてるかな)


さっき通ったと時はなかったと思うけど、おそらく見落としていたのかもしれない。


「えいっ一か八かだ」


考えている暇なんてなかった、私はすぐに扉の方に向かいドアノブに手を掛けた。


「あっ開いた!」


バタンっと部屋の中に入り扉を閉めた。


(鍵は……あれ……)


なぜか声はするが開ける音がしなかった。