「……好きなの? あのおっさんのこと」


 目を細める夏宮くんが、低い声で言った。


「っ……え?」


 両手首を拘束されて、身動きが取れない。

 夏宮くんの表情が冷たくて、その冷たさが私の胸の方まで届きそうになる。


「あんなポヤポヤしたおっさんより俺の方が良くない?」


 ポヤポヤした、おっさん……?


「……夏、宮くん」


 私はか細い声を絞り出す。


「なに」

「さすがに……これは……」


 私は、目を閉じた。


「……」


 自分が裸だということを思い出してくれたらしい夏宮くんは、ため息とともに私の上からどいた。


 ビッ……クリ、したぁー……!

 私はドクドクとフルスロットルで振動する胸を押さえて、大きく深呼吸をする。