……どうやらごまかせちゃったらしい。

 彩人くんは人がよすぎるというか、天然というか、ちょろい。

 こんなにちょろいと悪徳商法に引っかかるんじゃないかって心配になってくる。

 ……まぁ、今ひっかけたのは私なんだけど。


 私は彩人くんにバレないようにそっと、さりげなーく洗濯物を片付ける。

 すると奥の部屋から、性懲りもなく顔を出してる我が家のペットと目があった。

 その視線には先ほどと同じ、私に対する冷ややかなそれが含まれている。

 ……彩人くん、ごめんなさい。 本当にごめんなさい。

 すみませんけど今日ははやく、はやく帰ってくれませんか。

 ……なんて到底言えない私は、夏宮くんを見て見ぬふりをして超特急で宿題の続きに取り掛かった。