このネックレスは、生前おばあちゃんが私にくれたもの。

 太陽とそれを包むようにある月は取り外せるようになっていて、太陽と月、それぞれについたリングにチェーンを通せばペアのネックレスになる。

 元々おじいちゃんがおばあちゃんに告白するために買ったものだったそうだ。

 でも告白する勇気がなくて押し入れにずっとしまってたら、どこに入れたか分からなくなっちゃって、結局ネックレスは見つからないまま普通に告白したんだって。

 おじいちゃんが死んじゃってからようやく実家の押し入れで見つけたのよっておばあちゃんは笑ってた。

 ……私にとってこのネックレスは、愛の結晶。

 おばあちゃんがおじいちゃんに愛されてた、私がおばあちゃんに愛されてた、証だから。

 おじいちゃんにもおばあちゃんにももう会えなくなっちゃったけど……これがあれば愛を感じられる。

 寂しくなった時も、怖くなった時も、これがあったから自信を持って前向きに生きてこれた。