困惑する私を、夏宮くんは頬杖をついてじっと見つめている。


「……?」


 イケメンに見つめられると、息ができなくなるんだ。知らなかった。


「……つーか凛、一人暮らしなの?なんで?」

「あー……えっと……」

 私は一緒に暮らしてたおばあちゃんが亡くなったこと、一人暮らしでも隣に住む叔父さんや近所の人が気にかけてくれてることなど、これまでの事情をひと通り説明した。

 それをただ静かに聞いていた夏宮くんは、口元に手をやってなにか考え始める。


「……それでその叔父さんは、最近忙しいわけか」

「うん……しばらく遅くなるみたい。あっ、でも全然大丈夫なんだよ!気ままな一人暮らし、結構楽しんでるし」

 何か言い訳してるみたいな気持ちで笑う私を、夏宮くんはまたまっすぐに見る。

 その目があまりにも澄んでいて、私の心の中まで見透かされちゃうような気がして、少し怖くなった。


「ねぇ、凛」


 そして夏宮くんは、言った。


「飼われてあげよーか?」

「えっ?」


 か、かわれ……?


「本当は一人で寂しいんでしょ?」

「……!」