「うーんと……この人、ゲーム下手過ぎて」


 響が無表情で適当なことを言い始めた。

 
「俺的にはFF10をクリアしてないとかちょっと非国民だし、ホラゲはできないとか言うしそういうのマジ無理ってなって……まぁなんというか、価値観の違い?」


 途中何を言ってるか分かんなかったけど、とりあえず私はうんうんと頷く。


「まぁ、あれだよ。円満別れ」


 そう言って響が、私の肩を抱き寄せて親指をあげた。


「!うん、そう、円満別れ!」

 
 私も慌てて親指をあげてみせる。


「はー?なんだそれ」

「別れんの早っ。つまんねー」

「お似合いだったのにねー」


 私たちの前から、みんながやれやれと解散していく。


「……まーこっからだから」


 ボソッと響が言った。
 

「え?」


 柔らかい微笑みを浮かべる響が、私に合わせて軽く首を傾げた。


「ん?」

 
 ……こっからって、どういうことだろう?