「キョン!」


 そして焦った様子で響を叱りつけるように呼ぶ。


「おっと」


 響が両手で自分の目を隠した。

 そこでようやく私も事態を把握する。


「‼」


 わたし、は、裸だ!

 しかも心に、裸で抱き、抱きついて……


「~~~……!」

「ちょ、ま、うん、だよな、そうなるよな、おち、落ち着け落ち着、服、服!キョン、服!」


 落ち着けてない心が言って、響が「はーい」と呑気な返事をした。

 心は大急ぎで私をお姫様抱っこして、私の体を見ないようにしながら公園の中の、外からは死角となる塀の影に運んだ。

 そして心と響が背中を向けて私の盾になってくれると、響がはい、と後ろ手に紙袋を差し出した。

 見ると、紙袋の中に私の制服や下着一式が入ってる。

 ついさっきまで死ぬと思ってたところから心が助け出してくれた感動や、裸を見られたという恥ずかしさとか、いろんな感情がごちゃ混ぜになって手が震える。

 それでもとにかく二人が盾になってくれてるうちに早く着替えなければと、下着を取り出した。