「月寄さーん!こいつが付き合ってくれーだってー!」

「……へ」

 突然の、告白。

「バカ!よせ!」

 さっき挨拶をしてくれた男の子が友達をどついて、「なんでもないです!なんでもないです‼︎」と叫んだ。

 そして何も返せないでいる私を残して、男の子たちは楽しそうにじゃれ合いながら去っていく。

 な……なんでもないって言われても……

 そこで周りの視線にハッとする。

 私は慌ててさっき落とした靴を拾って下駄箱にしまい、熱くなる顔を俯かせながら歩き出した。

 速くなる心臓の音を落ち着かせようと、制服の下にこっそりつけてるネックレスのチェーンを中指で撫でる。