飼い始めたイケメンがずっとくっついて離れてくれない。

「その子、見せてもらえますか」


 ……響!

 響は汗だくで、少し息を切らしながらこちらに駆け寄ってくる。


「なんだ?兄ちゃんとこの子か」

「うーんと……友達ん家の子を、探してまして」


 そう言って響はおじさんから私を受け取って胸に抱き、私の顔をじっと見る。

 私は響の胸に前足を置いて、前のめりで訴える。
 

「っ、ミャー!ミャー!」


 響!響!私だよ!凛だよ!


「……凛?」

「ニャ!(はい!)」


 私の顔をじっと見たまま、首を傾げる響。


「ニャァーン……(響~……)」


 涙が出そうになりながら言うと、響が小声で言った。


「凛なら、なんか言って……?」


 !


「…………にゃぁ~(響~)」

「……」

「にゃー!にゃー!(私だよ!凛だよ!)」