飼い始めたイケメンがずっとくっついて離れてくれない。

「……凛は今、どこにいんの」

「あー!ほかの女の子呼び捨てにするのやめてくださーい」

「……」


 ふざける紗英に苛立った俺は立ち上がって、紗英の手を掴んで廊下に連れ出す。


「キャッ♡心、強引~」

「……」


 はしゃぐ生徒たちがいる廊下を抜けて、人気のない空き教室側の非常階段まで連れてきてから、紗英の手を離した。


「何したんだよ」

「んー?フフッ、なにが?」

 
 面白いのを抑えきれない、という紗英の表情で確信する。


「俺が彼氏になればよかったんじゃなかったのかよ」

「えー?フフフ」


 俺は紗英に近付いて、壁に追い込む。


「凛になにしたんだよ……!」

「フフッ、やだーこわーい! なにもしてないよぉ~アハハッ」


 紗英は嬉しそうに、両手で口元をおさえて笑う。


 〝お前の守り方、それであってる?〟


「…………ごめん」