……明るく、天真爛漫。

 素直で、いつも元気で、頑張り屋。

 笑顔が可愛い、少女漫画の主人公みたいな女の子。


「……紗英が、心を猫にしたの……?」


 単刀直入に聞いた私に、またフラフラとその辺を散策していた紗英が振り向いた。


「フフッ。うん!そうだよ~!」


 紗英は、駅前に新しくできたパンケーキ屋の話をしている時と同じ笑顔で、そう答えた。


「……どうして……?」

「どうしてって、わかるでしょ?」

「……?」

「好きな人が猫になってくれたらさ、ずっとお家で待っててくれて、誰にも邪魔されないでずーっと一緒にいられる。 それがどんなに幸せなことか、凛が一番わかるんじゃないかなぁ」

「……!」


 〝おかえりって言ってくれる人がいるっていいな〟

 〝ずっとここにいて欲しい〟


 心と暮らしていた時、そんなことを思った自分がいたことに鳥肌が立った。