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 と、いうわけで。
 
 翌朝、教室の前。

 待っていたキョンが廊下を歩いてきた私を見つけてアイコンタクトして、教室の中を親指で指し示す。

「もういる」

「……そっか」

 私とキョンは、横に並んで扉を見つめた。

「……本当にやるの?キョン」

「響」

「……!」

「今日からキョンじゃなくて、〝ヒビキ〟で」

「……ひ、びき」

「うん」

 ふ、と軽く口角をあげた〝響〟は、

「ん」

 私に左手のひらを差し出した。