飼い始めたイケメンがずっとくっついて離れてくれない。

 ……

 ……

 ……

「えっ?」

「だから、付き合おう」

「えっ?」

 同じリアクションを三回繰り返しちゃうくらいには、理解が追い付かない。

 見かねたキョンがコホンと咳払いして私に向き直る。

「月寄と、俺。 付き合って彼氏彼女になるの」

 やっぱり真顔のキョンが、私と自分を指さして丁寧に説明してくれた。

 そこまでされると、さすがにキョンが言ってることは理解できる。

「……ちょ、あは、待って待って、どうしてそうなる?わかってると思うけど、私、好きな人がね……?」

 キョンも暑さで頭をやられちゃったんだろうか。

 キョンはこころなしか爛々とした目で、手で作ったピストルを自身の頭に突き付けてみせる。

「はめるんだよ」

「はめる……?」

「月寄と俺が付き合ってるのを見せて、心の反応を探るの」

「……?」

「本当に紗英のこと好きなら、月寄が誰と付き合おうとどうでもいいはずでしょ。覚えてる?たこパんときの心」

「……」