飼い始めたイケメンがずっとくっついて離れてくれない。

 キョンは前方を見つめたまま、「そうだよな」と組んだ手の中に呟いた。


「心の本音……か」


 二人でうーん……と頭をひねる。

 心は口が達者で、嘘が上手。

 そんな彼の本音を、どうやって聞きだせばいいんだろう。

 というか、

「もしかしてこれって、彼女持ちの人に手を出そうとしてることになる……?」

 それって世の中的には、結構な大罪になっちゃうんじゃ……⁉


「…………それだ」


 キョンが何か思い立って、私を見た。


「月寄も〝彼氏持ち〟になればいいんだ」

「え」


 そしてキョンは、真顔で言った。

 
「俺たち付き合おう」

「えっ?」