――……と、いうわけで。

 
 
『ちゃんと食べてる?』
 
『ちゃんと寝てる?』

『しっかり勉強してる?』


 スマホのメッセージ画面にズラリと並ぶ小言たちに目を閉じて、私は味がいまいちなパスタを口に運ぶ。

 でも、お父さんが元気そうで安心した。

 それに自由気ままな一人暮らしは楽しいことも多かった。

 今日はダメだったけど、彩人くんがはやく帰れるときは一緒にご飯を食べてくれるし。

 このマンションの住人のおじさんおばさん達もすぐに私を受け入れてくれて、本当の孫のように気にかけてくれてる。

 総じて、うまくやれてると思う。

 私は食べ終わった食器を片付けて一息つくと、ソファに寝転んでスマホを開いた。

 そしてほとんど見る専門になったSNSアプリを開く。

 ……あ。中学の時の友達が更新してる。

 部活の友達と楽しそう。

 別の友達は彼氏ができたって……わ!ハグしてる!

 わわ!こっちはキスしてる⁉

 すごい、大人だなー……

 私はみんなの投稿に♡マークを押して、彼氏ができたという友達に『おめでと~♡』とコメントする。

 するとすぐに『ありがとぉ~♡凛、久しぶりに会いたいよー!』と返ってきて嬉しくなる。

 大好きな友達と今度会う約束を取り付けながら、今日の疲れが一気に吹き飛ぶような感覚がした。

 こうしてると一人じゃないって思える。

 スマホを通して、みんなと繋がれる世界で本当によかった。