猫の姿で見上げる凛のマンションは、とても大きい。
でも今日は一段と大きく、より無機質に見えてくるのはなんでなんだろう。
『出てって』
望み通りの結果になった。
計算通りすぎて、笑ってしまう。
計算通りじゃなかったのは、予想以上に膨れ上がってしまった、この気持ち。
いつの間にか、自分の置かれてる状況を忘れるくらい目の前の凛に溺れてしまっていた。
……今夜も、一人で泣くんだろうか。
ついさっき見た凛の泣き顔を思い出して、胸が張り裂けるように苦しくなる。
……ごめん。
ごめんな。
凛が苦しいときは、いつだってそばにいてやりたかったのに。
苦しめることしかできなくて、ごめん。
期待させて裏切って、ごめん。
嫌なこと言わせて……ごめん。
……どうか、元気で。
俺はマンションに後ろ髪を引かれながら踵を返した。
するとすぐ目の前に、影が落ちる。
「心」
「……!」
でも今日は一段と大きく、より無機質に見えてくるのはなんでなんだろう。
『出てって』
望み通りの結果になった。
計算通りすぎて、笑ってしまう。
計算通りじゃなかったのは、予想以上に膨れ上がってしまった、この気持ち。
いつの間にか、自分の置かれてる状況を忘れるくらい目の前の凛に溺れてしまっていた。
……今夜も、一人で泣くんだろうか。
ついさっき見た凛の泣き顔を思い出して、胸が張り裂けるように苦しくなる。
……ごめん。
ごめんな。
凛が苦しいときは、いつだってそばにいてやりたかったのに。
苦しめることしかできなくて、ごめん。
期待させて裏切って、ごめん。
嫌なこと言わせて……ごめん。
……どうか、元気で。
俺はマンションに後ろ髪を引かれながら踵を返した。
するとすぐ目の前に、影が落ちる。
「心」
「……!」