飼い始めたイケメンがずっとくっついて離れてくれない。

 膝立ちで作業する(しん)の背中側からキョンがつん、と私の肩を突いた。

「?」

 ちょいちょい、と手招きされて、不思議に思いながらもキョンの方へ体を傾ける。

 (しん)が一生懸命たこ焼きを作っている背中の後ろで、キョンが私にコソッと耳打ちした。


「面白いからもっと嫉妬させよ」

「えっ」


 思わず普通に声を出してしまった私に、(しん)がバッと振り向いた。


「⁉︎ は⁉︎ なにしてんだよ、離れろ!」


 (しん)はすかさず私とキョンを引き離した。


「今日疲れたねーって話してただけですが」

「あーもーだめ。 帰れ。 サヨナラ」


 私を背にしてキョンに向かってシャーッ! と威嚇する(しん)

 猫が板についてきている。