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「うっそ、こんな時間⁉ やばーい」


 どこからか聞こえた女の子の声で、私はハッと顔をあげた。

 時計の針は、4時45分を指していた。
 

「え」


 うっそ、こんな時間?


 そう思って視線をおろして、目の前の光景に改めて絶望する。

 机の上には、クイーンオブ不器用な私による残念な遠足のしおりたちが、ようやく半分ほどできあがったところだった。

 え? 終わる? 終わらないな? やばい、そろそろ帰らないと……そうだ、(しん)に遅くなるって連絡しておこう!

 私はスマホで家のPCにメッセ―ジを送ってから慌てて作業に戻る。

 と、とにかくどんどん紙を切っていこう。

 私はカッターを紙にあてて一気に手前に引いた。


 ザクッ。


「痛っ!」


 左手人差し指に走った鋭い痛みに、私は思わず声をあげてカッターを落とした。


「…………!」