「なかち、なか、中志津くんだ」
「……うん」
名前をかんでしまう私に特にコメントすることなく、黒い剣道着姿の中志津くんは教室の中に入ってくる。
そういえば中志津くんって剣道部だったっけ。
制服姿かジャージ姿しか見たことなかったから、新鮮だ。 袴が似合うなぁ。
たまに女の子たちが剣道部見に行こうって騒ぐ理由はこれだったのかもしれない。
ん? なんで教室に来たんだろう。
「忘れ物?」
「そんな感じ」
私の質問にざっくりと答えた中志津くんは、机の上に置かれたものを見て「なにしてんの?」と聞いた。
やっぱり中志津くんの空気って、ほっこりする。
さっきの女の子たちと話してた時の緊張感が嘘のように穏やかな気持ちになった。
「遠足のしおり作ってくれってさっき先生に頼まれちゃって」
中志津くんは興味なさげに「ふーん……」と言って、先生が作った見本をペラッとめくった。
「手伝おうか」
「えっ、いいの……⁉」
「うん」
中志津くんは私の前の席の椅子を引いて袴を少し煩わしそうにしながら座った。
「……うん」
名前をかんでしまう私に特にコメントすることなく、黒い剣道着姿の中志津くんは教室の中に入ってくる。
そういえば中志津くんって剣道部だったっけ。
制服姿かジャージ姿しか見たことなかったから、新鮮だ。 袴が似合うなぁ。
たまに女の子たちが剣道部見に行こうって騒ぐ理由はこれだったのかもしれない。
ん? なんで教室に来たんだろう。
「忘れ物?」
「そんな感じ」
私の質問にざっくりと答えた中志津くんは、机の上に置かれたものを見て「なにしてんの?」と聞いた。
やっぱり中志津くんの空気って、ほっこりする。
さっきの女の子たちと話してた時の緊張感が嘘のように穏やかな気持ちになった。
「遠足のしおり作ってくれってさっき先生に頼まれちゃって」
中志津くんは興味なさげに「ふーん……」と言って、先生が作った見本をペラッとめくった。
「手伝おうか」
「えっ、いいの……⁉」
「うん」
中志津くんは私の前の席の椅子を引いて袴を少し煩わしそうにしながら座った。



