これじゃ私、遠回しにあの二人を追い出しただけの人じゃん! 余計怯えさせる態度とってどうすんの‼

 あぁ~! もうバカバカバカ! 私のバカ!

 自分自身に往復ビンタをくらわしたい気分になったとき、自分の席に山積みになっているそれと目があって、我に帰る。


 ……とにかくやるしかない。

 私は大人しく席について、プリントを一枚取り出した。


 あーあ。

 もっと普通に、(しん)みたいに上手にできたらこんなことにはなってないんだろうなぁ……。

 もしここに(しん)がいたら、手伝ってくれたのかな。



「月寄」

「!」


 突然廊下側から声がして顔を向けると、扉付近にたたずむ剣道着姿の男の子と目があった。