飼い始めたイケメンがずっとくっついて離れてくれない。

(しん)、なんで、」

「とにかく入って。 今の俺、誰かに見られたら即通報案件だから」


 ……確かにびしょ濡れ全裸の男の子が玄関先でセーラー服の女の子を抱えている図は、どう見積もっても、やばい。

 中に入ってドアに鍵をかけてすぐ、(しん)は奥の部屋にタオルを取りに行き戻ってくると、私にタオルを渡してから服を着る。

 展開についていけず、私はタオルを手にして放心する。

 (しん)はそんな私に気が付くと、私の手からタオルをとって私の頭にかけ、やさしく髪を拭きはじめた。


「とりあえず風呂ためないとな」

「あ……うん……」


 心の息はまだ少し乱れてる。

 私の髪の毛先までポンポンと丁寧に拭いてくれる(しん)は、まだびしょびしょで全然拭けていなくて、前髪の先からポタリと水滴が落ちるのを見た。

 
「……」


 胸に、熱い何かが広がっていく。