青空に響け

「そうそう。そうやってピュア度MAXで『昂輝のおかげだ。ありがとな』なんてしょっちゅう言ってくるからさ、結局『あれはウソだった』って言うタイミング逃しちまってさー」

「そうそう……って、ウソだったのかよ! 俺、今知ったんだけど」

「あはは。わりー、わりー」

 佐々木くんの背中を、ゲラゲラ笑いながら有賀くんがバシバシ叩く。

「ま、おかげでこんなガタイのいいキャッチャーに育ちましたとさ」

「マンガの影響でさ。ぜってーキャッチャーやりたかったんだよね。でもやっぱチビのうちは『向いてない』って言われてたから。でも、諦めなくてよかった。だから俺、絶対レギュラー取って、甲子園に行くって決めてんだ」


 そっか。そうだったんだ。

 わたしも……諦めなくていいかな。


「あ、ありがとう。佐々木くん。わたしも……がんばってみるよ」

 わたしがそう言うと、佐々木くんはちょっとびっくりしたような顔をしたあと、またニカッと笑う。

「おう。お互いがんばろーな」