Special Edition ②


自分で自分の首を絞めていたらしい。
挙式と新婚旅行先をシークレットにされていて、サプライズ的に過ごすのと、ちょっと違うというか。
さすがに、この流れは異常だと思うのよね。

「挙式は明日のを含めて残り八回」
「はっ、は、八回って…」
「全部で十回する予定だから」
「………」
「楽しみだろ」

いえ、それは楽しいを遥かに通り越して拷問です。

ウェディングドレスは着たいけれど、一生に一度だから倖せ気分も高揚するってものなのに。
それを十回。
私には理解できません。

「そう嫌な顔するな」
「だって……」
「俺がえなのドレス姿見たいんだから、諦めろ」
「っ……」

そんなこと言われたら、我慢するしかないじゃないですかっ。

「それに」
「ん?」
「世界中の奴らに、俺らを見せつけたいから」
「………え?」

彼の言葉の真意を読み解くと……。
まさかとは思うけれど、………まさかね。

「世界中って、………本当に世界中で?」
「そのつもりだ」
「えええええええええっ」

彼は嘘が嫌いだ。
だから、言葉は言葉の通りで。
『世界中』と言ったからには、きっと本当に世界中で挙式するつもりだ。

「差し支えなかったらでいいんですけど、ベルギーの後の予定を伺っても宜しいですか?」
「福田」
「はい。……今後の日程をお伝え致します」

スタッフの福田さんは手帳を開き、スケジュールを事細かく説明してくれた。
けれど、その半分も頭に入って来ない。
結婚式と新婚旅行って、命がけなのね……。



「えな」

食後にお風呂に入って、彼が仕事をしているのをベッドに横になって見ていたら、いつの間にか寝てしまったようだ。
彼がそっと布団を掛けてくれた。
その手を掴んで、視線を合わせる。