Special Edition ②




ウイーンの空港に到着したけれど、トランジットで降り立ったらしい。
給油をする為に少し時間があるみたいで、その間に空港内を少し散策することにした。

「欲しいものがあったら、何でも買ってやるぞ」
「………」

怖すぎる。
彼が言うと、本当に買い占めてしまいそうで。

哲平さんと旅行が出来るだけで嬉しいのに。
欲しいものなんて何もない。

哲平さんが御影家のスタッフに声を掛け、何やら指示を出している。
そんな事を呆然と眺めていた、その時。

「May I take a picture with you?」
「えっ?」

青い瞳の男性に腕を掴まれた。
『picture』しか聞き取れなかった。
写真を撮って下さいって事?

I beg your pardon?(何と仰いましたか?)
「May I take a picture with you?」(訳:一緒に写真を撮ってもいいですか?)
「あっ、……写真を…」

英語は話せる。
一応、英才教育を受けていたから、それなりに話せるけど。
子供ならまだしも、私と一緒に写真は……。

少しワイルド系のイケメン風な男性がスマホを持ち上げ、有無を言わさず自撮りポーズをした、次の瞬間。

「Don't approach my wife, casually!」(訳:妻に気安く近づくな)

スマホで撮影出来ないように手を覆い、掴まれた腕を払いのけ、私を腕の中に引き寄せた。

「俺から離れるな」
「……ごめんなさいっ」
「ったく、可愛すぎるのも問題だな」
「っ……、可愛い?私、可愛いの?」
「当たり前だろ。この俺が選んだ女なんだから」
「っ……」