「えっ?!……哲平さん、旅行って飛行機に乗るの?」
「あぁ、嫌か?」
「あ、いえ、そういう意味では……」
荷物の量からして一週間くらいのリゾートホテルにでも旅行するのかと思っていた。
なのに、到着したのが羽田空港の第三ターミナル。
ここって、国際線のターミナルじゃないっ!!
ってことは、旅行先って……海外?
父がまだ生きていた時。
長期休暇によく海外に連れて行って貰っていた。
だから、パスポートも持ってるし、飛行機にも慣れているけれど……。
『海外』というワードが、私の心を一瞬で動揺させた。
だって、だって……。
ニカ月くらい前に、彼が言っていた言葉を思い出したから。
『挙式しに新婚旅行にでも行くか』
いつ行くとは言ってなかった。
四月から大学生活が始まるから、その前にとは言っていたけれど。
「どうした、具合でも悪いのか?」
「……ううん、大丈夫」
予め知らされていたのなら、心の準備ってものが出来るんだけど。
彼はいつだって直前に言うか、突発的に行動するか。
予測不能な人だから、私がどうこう言えるものでもないんだけど。
だけど、『挙式&新婚旅行』なら、行き先とか日程くらいは教えてくれても良さそうなのに。
驚いてしまった私は顔にそれが出てしまっているようで、彼が心配そうな視線を向けて来る。
そんな表情するくらいなら、前もって言ってくれたらいいのに。
「岬様、荷物を預けて参ります」
「ありがとうございます」
「検査場の前でお待ち下さいませ」
「分かりました」
彼と、空港へと連れて来てくれた見慣れない運転手さんともう一人の人との会話に違和感を覚えた。
だって、彼の口調がいつも違う。



