「高橋と、……お揃いに見えるシャツを着るな」
「……え?」
お揃いに見えるシャツ……。
あ、そうか。
今着ている上品なボーダー柄のシャツ(ブラウス)が気に入らなかったのね。
何だ、ただの嫉妬だったのか。
「哲平さんっ」
私は彼を安心させるように彼の首に腕を巻き付けて。
チュッと触れるだけのキスをした。
彼の愛情は、時として刃のように鋭く変化する。
それは、私を守る武器ともなるし、私を拘束する楔にもなる。
彼の素性が分からなかった時は、その愛情すらも恐怖で疑っていたけれど。
長年の凝り固まった愛情だから、今はそれを少しずつ解くように気を付けている。
ブラウスを引きちぎるほどの嫉妬心に駆られた彼。
けれど、それは私への溢れんばかりの愛情だと思うから。
「以後、気を付けます。明日からは哲平さんの服に毎日合わせますから」
彼が欲しい言葉をかけて、心を落ち着かせる。
私にはこれくらいしか出来ないから。
「薔薇、付けないんですか?」
「付けて欲しいのか?」
「………はい、沢山」
「フッ」
揺るぎない彼への愛情を示せば、彼は自然と理性を取り戻す。
前はこれさえも怖かったのに、今はこんなことでさえ嬉しくて堪らない。
首筋に触れた唇は、鎖骨や肩や胸元にまで這い伝って。
足跡を残すかのように赤い薔薇を散らす。
昨日付けられた胸の薔薇がまだ消えてないのに……。
「こんなに付いてると、エロいな」
「付けたのは、哲平さんですよ?」
「『男』を知った『体』だと言ってるようなもんだろ」
「っ……」
「その顔、他の奴に見せるなよ」
「っ……」



