「ポイントの設定はもちろんのこと、イベントやキャンペーンの落とし込みもできるし、ゲーム利用者のデータ取りも出来るように仕組んであるから」
「……ハハハッ、もう何も言うことないな」
「他のゲームもやってみて?」
「あぁ」
栞那が俺のために色々考えてくれただけで嬉しいのに。
実用性はもちろんのこと、企画的な部分で度肝を抜かれた。
あってもよさそうなのに、今まで考えもしなかった。
商品のことしか頭にないというか。
商品を通して、顧客のニーズを把握することに重きを置いていて。
独自の話題性やサイトへの誘致性において、もっと広い視野を持つべきだったことに気づく。
「一応、これに関する企画書も作ってあるから、家に帰ったら目を通して貰えたら」
「絶対通す。今すぐにでも会議にかけたいくらいだ」
「よかった、喜んで貰えて」
「ありがとな」
真横に座る彼女の肩を抱き寄せる。
俺には勿体ないくらいのできた嫁だ。
いつもとは違うシャンプーの香りが鼻腔を擽る。
「ちゃんと着てるか?」
「っ……着てるよ」
「確認していい?」
「ダメって言っても見るんでしょ?」
「勿論」
うなじにキスを落とし、ゆっくりと耳朶へと這い上がる。
びくんと跳ねる肩先。
風呂上がりで日本酒という効果も相まって、彼女の体温がいつもより少し高い。
甘い吐息を洩らす唇を塞ぎ、指先を襟元へと滑らせて。
浴衣の色香に既に酔いが回っているようで。
ほんのりと桃色に色づく肌に顔を埋めた、その時。
「っんッ……ぅっ…」
「……栞那?」
「っ……きもっ…ち、…悪ぃ……」
「大丈夫か?」



