*
「あっ、そうだ。栞那に渡したい物があるんだ」
そう言った彼は、キャリーケースの中から小さな箱を取り出した。
「はい」
「……さっき下着を貰ったばかりなのに」
「あれは、俺へのご褒美だから」
「っっ~~」
「これは、栞那へのご褒美」
「いいの?」
「俺は使わないものだから、貰ってくれないと困るんだけど」
「……じゃあ、遠慮なく頂くね」
ラッピングされたリボンを解き、小さな箱を開けると。
「あっ!!これ、私が欲しかったやつ!」
「知ってる」
「えっ、何で知ってるの?」
「さぁ、何でだろうね」
コーディング(ソースコードを書いたり、データの置き換え作業)する時に役立つ耳栓。
周りの音を完全にシャットアウトしたい派の私が愛用しているメーカーの最新モデルだ。
しかも、2セットも。
自宅と会社と使い分けれるように用意してくれたのだと分かる。
「いっくん、ありがとうっ!!」
高価な指輪や綺麗なドレスなんかよりも、こういうものの方が私は嬉しい。
根っからのネットオタクなのだろうけれど、彼はこんな私を丸ごと愛してくれる。
「私からもプレゼントあるの」
「え?」
「ちょっと待ってね」
座椅子を引き、バッグの中からタブレットパソコンとスマホを取り出す。
そして、彼の隣りに座り込んで。
「見ててね?」
「……ん」
ここ数か月の集大成とも言える、お披露目会。
彼の誕生日か、結婚記念日にプレゼントしようと思っていたけれど、今回の旅行がベストタイミングだと思った。
「えっ、何これ」
「下着ブランドのオリジナルサイトなんてどこもやってるけど、実際、通販や新商品のアピールとかしかないんだよね」
「あっ、そうだ。栞那に渡したい物があるんだ」
そう言った彼は、キャリーケースの中から小さな箱を取り出した。
「はい」
「……さっき下着を貰ったばかりなのに」
「あれは、俺へのご褒美だから」
「っっ~~」
「これは、栞那へのご褒美」
「いいの?」
「俺は使わないものだから、貰ってくれないと困るんだけど」
「……じゃあ、遠慮なく頂くね」
ラッピングされたリボンを解き、小さな箱を開けると。
「あっ!!これ、私が欲しかったやつ!」
「知ってる」
「えっ、何で知ってるの?」
「さぁ、何でだろうね」
コーディング(ソースコードを書いたり、データの置き換え作業)する時に役立つ耳栓。
周りの音を完全にシャットアウトしたい派の私が愛用しているメーカーの最新モデルだ。
しかも、2セットも。
自宅と会社と使い分けれるように用意してくれたのだと分かる。
「いっくん、ありがとうっ!!」
高価な指輪や綺麗なドレスなんかよりも、こういうものの方が私は嬉しい。
根っからのネットオタクなのだろうけれど、彼はこんな私を丸ごと愛してくれる。
「私からもプレゼントあるの」
「え?」
「ちょっと待ってね」
座椅子を引き、バッグの中からタブレットパソコンとスマホを取り出す。
そして、彼の隣りに座り込んで。
「見ててね?」
「……ん」
ここ数か月の集大成とも言える、お披露目会。
彼の誕生日か、結婚記念日にプレゼントしようと思っていたけれど、今回の旅行がベストタイミングだと思った。
「えっ、何これ」
「下着ブランドのオリジナルサイトなんてどこもやってるけど、実際、通販や新商品のアピールとかしかないんだよね」



