Special Edition ②



「ホテルのレストランでよかったのに…」
「やだよ、二人きりの貴重な時間なのに」

会社からの出張割り当てはビジネスタイプのセミダブルだったのに、悠真が勝手にセミスイートにグレードアップしてしまい、その部屋にルームサービスが運ばれて来た。

二人きりになると、途端に可愛く甘えたり、俺様ちっくに豹変する悠真。
そんな彼に慣れて来たと思ってたのに、ホテルという特別な場所だからなのか、悠真の態度にドキドキしてしまう。

「食べたら、一緒にお風呂に入ろ♪」
「えっ…」
「東京に置き去りにされて、傷ついてるんだけど」
「うっ……」
「よーし、今のうちに湯張っとこ~♪」

悠真が上機嫌で浴室へと向かって行った。
こうなると、もう手に負えない。

悠真の言う通り、東京に置き去りにしたのは私だから。
和沙が言うように、ちゃんと愛情を注がないと余計に彼を不安にさせてしまう。

「あ、そうだ。母さんから伝言で、『白星医大(白星会医科大学病院の略)の予約取れた』って」
「ホントっ?!」
「うん」
「さすが、蓮水の社長夫人ともなると凄いね」
「使えるもんは何でも使えばいいんじゃない?」
「……フフッ、本当に有難い」

白星医大の婦人科は一般外来の受付をしていなくて、紹介状がないと診て貰えない。
別に白星医大でなくてもいいんだけれど、不妊治療することを前提で今の状態の経過観察も踏まえて悠真のお義母様に相談した。
蓮水の後継者にも影響するわけで。
だから、良さそうな病院があるなら紹介して貰おうかと思ったのだ。