「どないな人なん?」
「どれくらい付き合ぉとるん?」
「優しい人?」
「かっこええ?」
「……えぇっと」
怖いこわい。
普段から早口なのに、息継ぐ間もなく質問攻め。
これではキリがない。
「同じ会社の人で、期間はそんなに長くないですが、知り合って三年ですかね。惚気るのは嫌なんですけど、カッコいいと思います」
「うわぁぁ~っ!ええ!かめへんで~!どんどん言うて~」
「アハハハッ、皆さんノリがいいですね」
日替わりランチを頬張りながら愛想笑いをする。
早めに食べて、会社に戻ろう。
写真はないの?だとか、プロポーズの言葉は?とか。
次から次へと質問され、苦笑いでそれらをやり過ごす。
*
金曜日の二十一時過ぎ。
漸く仕事のキリがいい所になり、机上を片付ける。
「白井さん、ぼちぼち上がれへん?」
「あ、今終わりました」
「ほな、行こ か?」
「え?」
「遅いから、送るで」
「ホテル、直ぐ近いので大丈夫です」
「金曜の夜をなめたらあかんで」
「っ……」
私が終わるのを待っていてくれたようだ。
既に鞄を手にしていて、戸崎さんはネクタイの結び目をほんの少し緩めた。
始発の新幹線の切符を予約済みだから、このままホテルに戻って休むだけ。
ボディガードだと思えばいいか。
「では……」
致し方なく、鞄を手にして腰を上げた。
退勤処理を施し、戸崎さんとエレベーターで一階へと降り立つ。
ロビーを抜けると、外の喧騒が漏れて来た。
「始発で帰るの?」
「はい」
「ほな、帰って来る時、舟和の芋ようかん頼むわ」
「……好きなんですか?」
「おかんがな」
「あぁ~、はい、分かりました」
戸崎が財布から五千円札を取り出し、璃子に差し出した、その時。
「璃子っ!」



