Special Edition ②



俺の大好きな璃子さんの口から、『パートとか契約社員とかでもいいかなと思って』という言葉が飛び出して来た。

仕事一筋で、誰よりも責任感が強く、疲労骨折するほど踵をすり減らして歩き廻るような人が、仕事をセーブしてもいいと決断するに至ったのは、やっぱり俺の存在があるからで。

俺がそう仕向けたようなもんなんだろうけど。

「俺、大丈夫だよ?一カ月くらいは我慢出来るし、璃子さんから仕事を取り上げようとか思ってないよ」
「そうじゃないの」

ぎゅっと握りしめる手が解かれ、彼女の腕が俺の首へと伸びて来た。
そして、首に腕を絡め抱きついて来た。

「今はまだ体も経過観察だし、いつかはというか、授かれるのであれば、悠真との赤ちゃんも欲しいし。仕事を今の状態でずっとし続けたら、きっとずっと先延ばしにしちゃいそうで」
「っっ……」
「だからね、……コウノトリがうちらのところに来れるように、不妊治療を始めようかと思って」

璃子さんの子宮の状態は良いとは言い難いらしい。
自然妊娠できないというわけではないが、もし欲しいのであれば、不妊治療した方が確率が格段に上がるらしい。
それは少し前に聞かされていた。
俺は璃子さんと結婚さえできれば、子供は二の次でいいと思ってる。
璃子さんさえ健康であれば、他に何も望んでない。

けれど、璃子さんが子供を欲しいというのならば、俺もそれに協力したい。
いや、すべきだ。
子供は、二人の愛があってこそだから。

璃子さんの体を抱きしめる。
こんなに華奢で弱々しいのに、いつだって俺よりしっかりしていて。
そんな彼女だからこそ、惚れたんだ。

「じゃあ、セーブしないで、シていいってことだよね?」
「え?……っっっ~っ」

自分から言ったんだから、覚悟しなよ?
今夜は寝かしてあげないんだから。