Special Edition ②


「ちょっとこれ、いじるな」
「え?」

ボディバッグの中から、とあるものを取り出す。

「えっ、……何してるの?」
「見ての通り、取り替えてる」
「……え?」
「出来た!……これ、俺のと色違い」
「ッ?!!」

まどかの枕カバーを取り替えた俺。
彼女と付き合うようになって、何度も訪れたことのあるこの部屋は、彼女の手作りのもので溢れている。

誕生日プレゼントを考えた時に、ふと視界に入った自分の枕から思いついた。

「あ、言っとくけどこれ、誕プレじゃないから」
「へ?」
「俺がお揃いにしたかっただけ」
「っっっ……」

嬉しそうにするまどかを抱き締め、耳元に呟く。

「同じものに顔埋めて寝たら、夢に俺が出て来るかもよ?」
「っっ~~っ」

いつでも俺を意識して欲しくて。
独占欲の塊だろうが、何だろうが気にしない。

ゆっくりと腕を解いて、正真正銘の誕プレをボディバッグから取り出す。

「17歳の誕生日、おめでとう」

ラッピングされた包みを差し出す。

「……ありがとう、廉。開けてもいい?」
「ん」
「わぁっ、素敵っ♪」
「貸してみ」

箱の中から取り出したそれをそっとまどかの手首に。

誕生日プレゼントに選んだのは、レザーベルトのハンドクラフトウォッチ。
受注生産の1点もので、彼女が好きなモチーフをあしらって貰ってある。

1週間というリードタイムしかなく、正直間に合うのかも不安だったけど。
兄の婚約者である律さんが、知り合いの伝手に声をかけてくれて、何とか間に合った。

しかも、文字盤の裏側に“R with M”と刻まれている。
俺が頼んだわけじゃない。
人や物に関心も執着もしなかった俺が、初めて執着した相手だから。
兄貴が気を利かせて、律さんに頼んでくれたらしい。

「廉、ありがとっ」